その名は、ヒルマ・アフ・クリント。1862年にスウェーデンに生まれた彼女は、スウェーデン王立美術院で美術を学び、卒業後、当時の女性としては珍しい職業画家として、伝統的な絵画を描き、成功を収めていた。一方、彼女は多感な青春期から霊的世界や神智学に関心を持っていて、それは妹を亡くしたことでより強くなる。神秘主義に傾倒した彼女は、独自の表現の道を歩みはじめ、同じ思想を持った4人の女性芸術家と結成した芸術家集団「5人(De Fem)」での活動やルドルフ・シュタイナーとの出会いなどを経て、一層輝きを増していく。しかし、同時代の画家たちが新たな芸術作品を発表し、広く展示を行う中、彼女が自身の革新的な作品を公表することはなかった。そして、死後20年間はそれを世に出さないように言い残し、この世を去った…
月日は流れ、現代。彼女は突如として世界に発見された。
各地の展覧会で評判を呼び、2018年~2019年のニューヨークのグッゲンハイム美術館での回顧展は、同館史上最高の来場数(約60万人)を記録し、大きな話題となった。今、世界中の人々の心を鷲掴みにする彼女の絵は、なぜ死後20年を経ても知られることがなかったのか。そして、生涯をかけて自分で道をつくり、その道を歩んだ彼女が、目に見えるものを超えて見つめていた世界とは。
キュレーター、美術史家、科学史家、遺族などの証言と、彼女が残した絵と言葉から解き明かす。
ヒルマ・アフ・クリントの名前がなかったとき、
美術史という小宇宙は制御されたものだった。
今それは、もっと豊かで、あらゆる形に満ちていて、
淡い卵の色や朝焼けのようなピンクに染まり、
別の秩序を形作ろうとしている。
新しい宇宙の景色は、ヒルマの描く絵に似ているに違いない。
ヒルマ・アフ・クリントの「再発見」の後は、美術史は書き換えられなければならない! ニューヨークのグッゲンハイムでの大回顧展にも出てなかったような、貴重なドローイングがたくさん見られるのも嬉しい映画です。
ヒルマ・アフ・クリントの発見は、もはや事件だ。
誰もが、彼女の名前を美術史に書き加えなければならないことに気がつくだろう。
誰も抽象画を描かなかった時代にヒルマが描いた絵の美しさ、新しさ。この芸術家の凄みに圧倒され、言葉を失って泣きながら観た。疎まれても自分を貫く、あなたみたいな女性でいたい。そうだ、わたしもいますぐ作らなくては!
結婚や家族という幸せや慣れ親しんだ場所から遠く離れ、常に境界線やジレンマの淵で生きたヒルマ。限られた意識の中で思考と感情をフル稼働させ日々仕事をすること、そして自分を解放し発展し続けること、それが一番戦争から遠く離れていることだなと改めて思いました。
数年前ヒルマの作品に出会って、眩い衝撃を受けた。SNSで紹介したらいつの間にか周囲の友人たちも多くの啓示を受けた。きっとこの映画を観たあなたも、多くの革命的な素晴らしいものを受け取るに違いない!絶対に必見の一本‼︎
美術界のお話だと思って観ていたら
これは、私たちの映画だった。
19世紀のスウェーデンに生まれた一人の女性が
美術史をひっくり返そうとしている。
本作は、なかったことにされてきた彼女と
私たち女性みんなの映画なのだ。
ミュージアム、マーケット、アカデミー、そしてメディアが織りなす「美術史の見直し」の現場。雑誌の誌面やパソコンのモニタ上で見る画像ではわからなかった「神殿のための絵画」シリーズのスケールの大きさがよく伝わってきて、「映画で紹介する意義」を感じました。
モダニズムの水晶宮はけして男性アーティストのみに独占されるべきものではなかった。
宮殿の天井に放たれたヒルマ・アフ・クリントの抽象画の矢は穴を穿ち、そこから差し込む光はモダニズムの新たな風景を照らし出すだろう。
モダンアートに関心のあるすべての人、必見!
ヒルマを発見したという興奮と、
時間がかかったことへの苛立ち
目も心も、リフレッシュしてくれる作品
この時代の社会的、文化的な複雑さを
鮮やかに映し出した
画面の隅々まで行き渡った
鮮やかな色彩と魅力的な映像は、心に余韻を残す
このようなパイオニアが長い間見過ごされてきたことに、
怒りを覚えるだろう
ヒルマの作品の驚異的な奥深さに飲み込まれるような、
魅惑的な魔法をかけられる
1975年、ドイツ・ベルリン生まれ。演技、クラシック歌唱、映画制作を学んだ後、ベルリンにAMBROSIA FILMを設立。初監督作品の短編映画『9andahalf's Goodbye』(2010年)は、世界40以上の映画祭で上映され、数々の賞を受賞。その後監督、プロデューサーとして『Deja Vu』 (2013) を手がける。本作『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』は、ヒルマ・アフ・クリントを取り上げた初めての映画で、彼女の長編映画監督デビュー作となる。
地域 | 劇場 | 公開日 |
---|---|---|
東京 | ユーロスペース | 上映終了 |
東京 | 東京都写真美術館ホール | 上映終了 |
神奈川 | 横浜シネマリン | 上映終了 |
神奈川 | 川崎市アートセンター | 上映終了 |
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 上映終了 |
栃木 | 小山シネマロブレ | 上映終了 |
群馬 | シネマテークたかさき | 上映終了 |
地域 | 劇場 | 公開日 |
---|---|---|
愛知 | 名古屋シネマテーク | 上映終了 |
静岡 | 静岡シネギャラリー | 上映終了 |
長野 | 上田映劇 | 上映終了 |
長野 | 塩尻東座 | 上映終了 |
富山 | ほとり座 | 上映終了 |
富山 | ダフレンズ | 上映終了 |
地域 | 劇場 | 公開日 |
---|---|---|
京都 | 京都シネマ | 上映終了 |
京都 | Cine Grulla | 上映終了 |
大阪 | シネ・リーブル梅田 | 上映終了 |
兵庫 | シネ・リーブル神戸 | 上映終了 |
地域 | 劇場 | 公開日 |
---|---|---|
広島 | 横川シネマ | 上映終了 |